
トヨタの人気SUV「ハリアー」の購入を検討している方にとって、気になるのが自動車税をはじめとする維持費ではないでしょうか。実は、ハリアーの自動車税はモデルの排気量やエコ性能によって年間7,000円以上の差が生じる可能性があります。この記事では、ハリアーの自動車税にまつわる疑問を解消し、各種減税制度や支払い方法、さらには重量税や燃料費を含めたトータルの年間維持費まで、具体的な数字を交えて詳しく解説します。
自動車税 ハリアー の年額早見表

ハリアーの自動車税は、排気量と登録時期によって決まります。2019年10月1日以降に登録された車両の場合、以下の税率が適用されます。
排気量 | 年額 |
---|---|
1.5L超~2.0L以下 | 36,000円 |
2.0L超~2.5L以下 | 43,500円 |
ガソリン2.0Lモデルの自動車税と維持費
ハリアーのガソリンモデルは、2.0Lの排気量のため、自動車税は年間36,000円です。車両重量は1,600kgから1,660kg(グレードによる)の範囲に収まるため、重量税は1.5トン超~2.0トン以下の区分となり、初回3年間の重量税は49,200円です。
WLTCモード燃費は15.6km/Lとされており、SUVとしては優れた燃費性能を発揮します。エコカー減税やグリーン化特例の対象外となるため、減税措置はありません。
ハイブリッド2.5Lモデルの自動車税と維持費
ハイブリッドモデルは2.5Lエンジンを搭載しているため、排気量だけで見れば自動車税は年間43,500円となります。しかし、ハイブリッド車は環境性能に優れるため、各種減税の恩恵を大きく受けられます。
購入時の環境性能割は非課税(0%)となり、さらに初回車検時の重量税は免税(0円)です。これにより、車両購入時の初期費用や車検時の維持費を大きく抑えることができます。

PHEV2.5Lモデルの自動車税と維持費
プラグインハイブリッド(PHEV)モデルも2.5Lエンジンを搭載しているため、排気量で見ると自動車税は年間43,500円です。しかし、PHEVは最もエコカー減税の恩恵を受けられる車種であり、翌年度の自動車税がグリーン化特例により75%軽減され、11,000円となります。
また、初回車検時の重量税は免税(0円)となり、環境性能割も非課税です。さらに、PHEVは国からCEV補助金が60万円(2025年時点)支給されるため、購入時の負担を大幅に軽減できます。

自動車税 ハリアー を安くする減税・特例完全ガイド

ハリアーの維持費を抑える上で欠かせないのが、自動車に関するさまざまな減税制度の活用です。特にハイブリッドやPHEVモデルは、エコカー優遇措置の対象となるため、大きな恩恵を受けられます。
環境性能割の税率(取得時)
環境性能割は、車を購入する際に課される税金で、燃費性能に応じて税率が変動します。ハリアーの場合、ハイブリッドモデルとPHEVモデルは、いずれも高い燃費性能が評価され、非課税(税率0%)となります。これにより、車両購入時の初期費用を抑えることができます。ガソリンモデルの場合は、一定の税率が適用されます。
エコカー減税(重量税免税)
エコカー減税は、燃費基準達成車に対して、購入時や車検時にかかる重量税が減免される制度です。ハリアーの場合、ハイブリッドモデルは初回車検時の重量税が75%軽減され、PHEVモデルは初回・2回目の車検時ともに重量税が100%免税となります。ガソリンモデルはエコカー減税の対象外です。
グリーン化特例(翌年度75%/25%軽課)
グリーン化特例は、排出ガス性能および燃費性能に優れた自動車に対して、購入した翌年度の自動車税が軽減される制度です。ハリアーのPHEVモデルは、この特例の対象となり、翌年度の自動車税が75%軽減されます。ガソリンモデルやハイブリッドモデルは、この特例の対象外です。
CEV補助金と併用するコツ
PHEVモデルの場合、国のCEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)の対象となります。ハリアーPHEVの場合、60万円の補助金が支給されます。この補助金は、上記で解説した減税制度とは別に適用されるため、PHEVモデルを選ぶことで購入費用を大幅に抑えることができます。補助金の申請窓口や時期については、購入する販売店で詳しく確認しましょう。
自動車税 ハリアー の納付スケジュールと支払い方法

自動車税の納付は、毎年決まったスケジュールで行われます。スムーズな支払いのために、スケジュールと支払い方法を把握しておきましょう。
5月請求/5月31日締切の流れ
自動車税の納付書は、毎年4月上旬から中旬頃に、登録されている自動車の所有者(ローンを組んでいる場合は使用者)のもとに郵送されます。納付期限は原則として5月31日です。この期限を過ぎると延滞金が発生する可能性があるため、注意が必要です。
キャッシュレス/口座振替のメリット
自動車税の支払い方法は、近年多様化しています。従来の金融機関窓口での現金払いやコンビニエンスストアでの支払いのほか、以下のようなキャッシュレス決済も可能です。
- クレジットカード払い: インターネットを通じて自宅からでも支払いが可能です。ただし、決済手数料がかかる場合があります。
- PayPay請求書払いなどQRコード決済: スマートフォンアプリを利用して、納付書のバーコードを読み取るだけで支払いが完了します。
- 口座振替: 事前に申し込みをしておくことで、毎年自動的に指定口座から引き落とされるため、支払い忘れの心配がありません。
各都道府県によって対応しているキャッシュレス決済の種類が異なるため、お住まいの自治体のホームページで確認することをおすすめします。
初年度月割り計算法
自動車を年度の途中で購入した場合、自動車税は購入した月の翌月から年度末(翌年3月)までの月割りで計算されます。
初年度の自動車税額 = 年間自動車税額 ÷ 12ヶ月 × 登録月の翌月から3月までの月数
例えば、年間自動車税が36,000円のハリアーを7月に登録した場合、8月から翌年3月までの8ヶ月分の税金を支払うことになります。
36,000円÷12ヶ月×8ヶ月=24,000円
このように、購入するタイミングによって初年度の自動車税額は変わるため、購入計画を立てる際の参考にしてください。特に年度末の3月に登録すると、翌年度の5月まで2ヶ月分得することになります。
自動車税 ハリアー と重量税・保険・燃料費まで徹底比較

ハリアーの維持費を考える上で、自動車税だけでなく、重量税、任意保険、そして燃料費も重要な要素です。ここでは、これらの費用を含めた年間維持費のシミュレーションを行い、パワートレーンごとの違いを明確にします。
車両重量×エコカー減税でこう変わる重量税
重量税は、自動車の重量に応じて課される税金で、車検時にまとめて支払います。ハリアーの車両重量は、ガソリンモデルが1,600kg~1,660kg、ハイブリッドモデルが1,640kg~1,730kg、PHEVモデルが1,810kg~1,850kgと、いずれも1.5トン超~2.0トン以下の区分に該当します。この区分の一般的な重量税は、2年自家用で32,800円、初回3年で49,200円です。
しかし、前述のエコカー減税により、ハイブリッドやPHEVモデルでは大きな違いが生じます。
- ガソリンモデル: 初回3年間の重量税は49,200円。
- ハイブリッドモデル: 初回車検時の重量税が75%軽減されるため、実質12,300円(2年分)。
- PHEVモデル: 初回・2回目車検時ともに重量税が免税(0円)。
この差は、長期的に見ると維持費に大きな影響を与えます。
年間維持費シミュレーション(走行1万km)
ここでは、年間走行距離1万kmを想定し、ハリアーの年間維持費をパワートレーン別にシミュレーションします。任意保険は車両保険込みの20等級で平均15万円と仮定します。
費目 | ガソリン 2.0L | ハイブリッド 2.5L | PHEV 2.5L |
---|---|---|---|
自動車税(年額) | 36,000円 | 43,500円 | 11,000円(翌年度) |
重量税(年額換算) | 16,400円 (3年で49,200円) |
4,100円 (3年で12,300円) |
0円 |
燃料費・電気代 | 121,000円 | 65,000円 | 48,000円 |
任意保険料 | 150,000円 | 150,000円 | 150,000円 |
合計 | 323,400円 | 262,600円 | 209,000円 |
※燃料費・電気代は下記試算に基づきます。
※重量税は初回3年間の税額を年額に換算しています。
※PHEVの自動車税は翌年度の軽減税額を適用しています。
上記のシミュレーションからもわかるように、PHEVモデルが最も年間維持費を抑えられる傾向にあります。
燃料費:ガソリン182円/L・電気30円/kWh試算
- ガソリンモデル(WLTC燃費15.6km/L):年間1万km走行で、ガソリン消費量 10,000km÷15.6km/L≈641L。ガソリン価格182円/Lとすると、年間燃料費は約 641L×182円/L≈116,662円。
- ハイブリッドモデル(WLTC燃費21.6km/L):年間1万km走行で、ガソリン消費量 10,000km÷21.6km/L≈463L。ガソリン価格182円/Lとすると、年間燃料費は約 463L×182円/L≈84,266円。
- PHEVモデル(WLTC EV走行距離93km、複合燃費20.5km/L):PHEVは電気とガソリンの両方で走行するため、使用状況によって燃料費が大きく変動します。ここでは、自宅での充電がメインと仮定し、電費を考慮します。仮に年間走行1万kmのうち、EV走行を約60%(6,000km)と仮定し、残り4,000kmをガソリン走行とします。EV走行分: 6,000km走行に必要な電力量を仮定し、電気代30円/kWhで計算します。ガソリン走行分: 4,000km走行に必要なガソリン量を燃費20.5km/Lで計算します。詳細な計算は複雑になるため割愛しますが、参考として年間電気代とガソリン代の合計を約48,000円と試算しています。

まとめ

ハリアーの自動車税を含む維持費は、パワートレーンによって大きく異なります。特に環境性能に優れたハイブリッドやPHEVモデルは、各種減税や補助金の対象となるため、長期的な視点で見ると経済的なメリットが大きいことがわかりました。
- 自動車税は排気量で決まるが、エコカーは減税対象: ハリアーの自動車税は2.0Lが36,000円、2.5Lが43,500円ですが、PHEVはグリーン化特例で翌年度11,000円まで軽減されます。
- エコカー減税と環境性能割は維持費を大幅に削減: ハイブリッドやPHEVは、購入時の環境性能割が非課税、車検時の重量税も免税や大幅軽減となります。
- PHEVはCEV補助金も活用可能: PHEVモデルは国からの補助金(60万円)が支給されるため、初期費用も抑えられます。
- 支払い方法は多様化: 自動車税の納付は、現金だけでなくキャッシュレス決済や口座振替も選択できます。
- 年間維持費はパワートレーンで大きく差: 燃料費や重量税を含めた年間維持費は、ガソリンモデルに比べてハイブリッドやPHEVの方が経済的であることがシミュレーションで示されました。
ハリアーの購入を検討する際には、車両価格だけでなく、自動車税やその他の維持費も含めたトータルコストで比較検討することをおすすめします。あなたのライフスタイルや走行距離に合わせて、最適なパワートレーンを選び、賢くハリアーを維持しましょう。